
本研究の目的としては機能体組織ではなく、自然共同体の集まる空間を「秘密基地」として提案する為に「秘密基地」の輪郭化と空間の設計を行う。本研究対象を選んだ理由としては過去の経験で秘密基地から非日常を感じることがあり、それを卒業研究という形にしたいと考えていたためである。新型コロナウィルスの渦中の現在だからこそ家や学校に代わって利用できる「秘密基地」のような空間を提案していきたい
調査
前期の研究では「秘密基地」の外面的イメージを掴んだ。まず秘密基地の語意について調べ、その語意をもとに秘密基地を連想させる単語をピックアップした。目的としては「秘密基地」の概念の広がりを把握し、イメージ検索のキーワードとして扱うためである。その結果12単語をピックアップすることができた。その後、ピンタレストで連想させるキーワードから80のイメージを選んだ。
検索方法
キーワード+[architecture]で画像検索を行った。
その中から何故「秘密基地」だと感じたのかを箇条書きでポイントを書き出していき、80イメージを分類した。
その結果から見つけ出した6つの特徴に分類できた。
a.擬態(環境)
森の中や周りの建物、周りの景色に溶け込むようにそこに存在している。
b.簡易性(構法)
プレハブやコンテナのように簡易的に造りで構成
されている。
c.視線
人の視線を感じにくくなっている。
d.異様(環境)
周りの環境と比較して違和感があり、異彩を
放っている。
e.閉鎖性(社会との関わり、アクセス)
日常生活や社会生活から切り離されている。
また、入場することに不思議と恐怖感や不安感がある。
f.形状(デザイン性)
形状には特定のパターンがある。
Cave型・Forest型・City型・Container型
そして、この6つの特徴はすべて外面的な要素であるため後述では外面的特徴と呼ぶ
研究方法
日常の環境の中で「秘密基地」を造るとしたら日常生活の中に隠れている環境が多いということが分かり、それは見えていない環境と通運視野に入らない空間の二つに分けられると感じた。非日常の環境に関しては自然や現在使われていない空間が主なことが分かった。
まとめ
探索して現れた条件
外面的イメージピンタレスト(80選)
擬態、簡易性、異様、視線、閉鎖性、形状
いずれかの特徴が1つ現れる。
機能的特徴(既存空間30選)
用途決まってない、使用人数、隠密性、使用規模、営利目的でない
全てを満たす
参考文献
研究を終えて
私は今回の研究を通して「秘密基地」の全貌を輪郭化することが出来た。私が今回の研究を行う際に小さい頃誰でも一度は造ったであろう秘密基地を忘れることが出来ず今回の本研究のテーマとして扱った。「秘密基地」には多くの側面があり、子供の頃は自分たちだけの隠れた遊び場として使われており、大人になれば隠れ家という言葉に変わり使われている。また、政治的な側面でも実際に「秘密基地」を利用している国もあれば宗教的な側面でも身を隠すために隠れ家として使われていた時代もあった。「秘密基地」という言葉では表現自体はされていないが私たちの生活の中にも「秘密基地」と呼べるのではないかと思われる空間も多く存在しており、それぞれに使われ方や形態もことなっていて、多様性に富んでいる。私たちの日常の中にさりげなく、私たちに意識させることなく潜んでいる「秘密基地」は子供と大人、政治と宗教と対極の位置に存在する人たちにも呼ばれ方を変えて同じ意味合いで使われている。この空間に大きな可能性を感じてこの「秘密基地」というモノに注目した。