メディアの法則

あらゆるメディアに共通するものは何か?

1960年代に一種の旋風を巻き起こしたマーシャル・マクルーハン。彼は著書「メディア論」で、メディアは「身体の拡張」であると述べ、ありとあらゆるものをメディアと規定して刺激的な言葉で論じました。私がメディア論に出会ったのはおそらく学生終わりの頃か、働き始めた頃だったと思います。「ホットなメディアとクールなメディア」「グローバルビレッジ」といった、初めて触れる概念の数々。まだ多感な青年であった私はだいぶ大きな影響を受けたことを覚えています。

「メディアの法則」はそのメディア論を引き継ぎ、反証可能性という科学的な視座からメディア論を完成させようとした一冊ではないかと思います。著者はマーシャル・マクルーハンと息子のエリック・マクルーハン。彼らはメディアを論じる際に共通した「四つの原則」があると述べています。この四つの原則は「テトラッド」と呼ばれ「拡張・閉鎖・反転・回復」を示します。

1. 「拡張」それは何を強化し、強調するのか?
2.
「閉鎖」それは何を廃れさせ、何に取って代わるのか?
3.
「回復」それはかつて廃れてしまった何を回復するのか?
4.
「反転」それは極限まで推し進められたとき、何を生み出し、何に転じるのか?

メディアの特性を捉える際、テトラッドは一つの重要なよりどこになるのではないかと思います。それは既存メディアでも有用ですが、これから登場してくるであろう新しいメディアにも適用されるはずです。例えば人工知能やVRなどで考えてみるとどうでしょう? 是非みなさんもテトラッドを活用してみてください。

メディアの法則
マーシャル・マクルーハン+エリック・マクルーハン(著)

単行本: 335ページ
出版社: NTT出版 (2002/10/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4757100663
ISBN-13: 978-4757100664
発売日: 2002/10/1

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